著者
(有)エスティア 代表取締役 工学博士 橋爪 慎治 氏
【著者紹介】
1968年、(株)神戸製鋼所入社。高分子加工技術の開発、装置設計に従事し多くの混練技術、押出技術を開発。現実に即した新規理論の創出、ロングファイバーペレット技術、ナノ分散技術、諸問題に対応するための独自設備の考案等、多くの功績を残した。
1999年、(有)エスティア設立。現在、国内外数社の顧問として技術指導を行っている。
二軸押出機に関する技術講演では具体的で分かりやすい解説に定評があり、受講者の支持を集めている。分散理論、装置機構、スケールアップ・分散品質の予測・解析、操業時に発生する不具合対処法、二軸押出機の新規応用技術まで、明快に説くことのできる稀有な存在である。
1989年、日本レオロジー学会有効賞受賞
2009 年「高分子混練・分散工学」を出版
共著書籍 7冊、技術論文 50以上、取得特許 180以上の実績がある。
本書の特徴
■二軸押出機はどのような装置で、構成する各機構・部品はどのような役割を持っているのか?
■各種ミキシングエレメントはそれぞれどのような特徴、混練・分散性能を持っているのか?
■スクリュの設計はどのように検討したら良いのか?各目的ゾーンの役割とは?
■押出機内の材料はどのような挙動を示すのか?その解析のための理論・手法とは?
■材料にどのような作用を施すことが、良い分散に繋がるのか?
■従来のスケールアップ理論は使えない?!高い精度で分散品質を予測する方法とは?
■二軸押出機の応用・活用領域を広げる
ナノコンポジット、ポリマーナノアロイ・伸長流動分散・反応押出・脱気技術等の先端応用技術とは?
■サージング・ベントアップ・フィードネック・樹脂劣化…各種の不具合にはどう対策したらよいのか?
など、二軸押出機の技術をとことん追求・理解できるユーザ技術者の皆様に贈るバイブル!
目次
緒言
第1章 樹脂流動に関する数値解析の基礎知識
1.基本的な数値解析の導入
1.1 せん断速度、せん断応力の測定と非ニュートン性
1.2 流動基礎式とその展開
1.3 スクリュ、シリンダによる扇形空間内の樹脂の流動
1.4 最悪分散部分評価方法と平均分散部分評価方法
1.5 フィラの破砕分散評価方法
1.6 次元解析表示
1.7 本書に出てくる材料の略記号の説明
第2章 2軸押出機および応用技術開発の歴史と現状
1.現存の混練作用機種の大分類と2軸押出機の位置付け
1.1 11機種、機器構成の技術相関と発達経緯
1.2 コニカル2軸押出機と平行2軸押出機
1.3 両雄の一方の小型連続混練機が使われなくなった
1.4 樹脂加工装置の使用目的2分野
1.5 同方向回転、異方向回転2軸押出機
1.6 2軸押出機の使用目的
2.2軸押出機に関する技術発達の経緯
2.1 Coperion社の歩み
2.2 L/D15〜20程度のショートL/D2軸押出機がスタート(1本ものスクリュ)
2.3 PVC用にコニカル2軸押出機との競合
2.4 L/D30〜40のロング L/Dの2軸混練押出機へ展開
2.5 タイロッド方式、スクリュピース方式の確立、現在の2軸押出機へ
2.6 ロングL/D化で混練性能を上げるため、各種ミキシングエレメントの実用化
2.7 シリンダのピース化が大半となる
2.8 異方向 / 同方向2軸押出機の共存から、同方向2軸押出機へ集約
2.9 不完全噛合機から完全噛合機への展開
2.10 完全噛合いとして、台形ねじとボールねじ
2.11 浅溝から深溝化、噛合い率の向上
2.12 高速回転化、高トルク化
2.13 コンパウンドにおける高押出し量化
2.14 シリンダ冷却能力の向上、シリンダ内穿孔方式の固定化
2.15 付帯設備技術の向上,ベント機構など
2.16 重合工程後のモノマ、水などの除去に利用
2.17 リアクティブプロセッシング用途に使用
2.18 超高速回転化とショートL/D化、1機種分の小型化
2.19 品質均一化の努力、絞り機構
2.20 3元性材料用に2段押出機分野ができる
2.21 ギヤポンプ併用の成形機化
2.22 2軸機+GP+2軸機の開発
2.23 リアクティブプロセッシング 用に超ロングL/D化
2.24 中国では両持構造の2軸押出機が普及
2.25 米国を中心として、伸長流動分散技術を応用した押出機
2.26 2軸押出機の派生機種の分類
3.2軸押出機の主要ミキシングエレメントの混練特性
3.1 破砕せん断目的の応力特性
3.2 充満率
3.3 圧力発生
3.4 エネルギ付加特性
3.5 分配分散目的の流動特性(手返し効果)
3.6 均一性確保の流動特性
4.スクリュ設計
4.1 溶融ゾーン
4.2 破砕分散効果を大きくする破砕分散ゾーン
4.3 分配分散効果を大きくする分配分散ゾーン
4.4 樹脂堰き止めゾーンと樹脂シール(Material Seal)ゾーン
4.5 ダイ圧損を補填する昇圧ゾーン
4.6 均一性効果を大きくする、仕上げ効果ゾーン
4.7 伸長流動分散実現の混練ゾーン
4.8 その他
第3章 2軸押出機分散現象の評価技術
1.せん断分散に対する従来の考え方
1.1 混練の目的は分散
1.2 せん断分散作用と伸長分散作用
1.3 コンパウンドとポリマアロイ
1.4 コンパウンドにおける凝集粒子の破壊
1.5 凝集破砕を含む分散と材料物性
1.6 ポリマアロイにおける破砕分散
1.7 従来の高分子材料補強理論
1.8 特殊なコンパウンド技術
2.理想的破砕分散理論 (最小空間の瞬間的混練現象の解明)
2.1 餅つき挙動と2軸押出機挙動の比較
2.2 微視的部分から見た理想的破砕分散理論(理想的杵下破砕理論)
2.3 送り込み分配分散作用
2.4 まき散らし分配分散作用
2.5 時間的にせん断経歴が異なる分散理論(経時不均一理論)
3.メルトフラクチャ現象に伴う分散特性
3.1 高分子材料の異常流動
3.2 メルトフラクチャ
3.3 BRのせん断試験
3.4 Mohrの円と破壊条件
3.5 2ロール上のシートに発生する滑り線
3.6 キャピラリ入口に発生する滑り面(Slip cone)
3.7 メルトフラクチャ分散とエネルギ効率
3.8 メルトフラクチャ混練領域
第4章 2軸押出機分散現象の相対的評価技術(コンピュータ解析技術)
1.スクリュの流動解析・分散性評価
1.1 コンピュータを用いた解析
1.2 無次元数によるスクリュの流動解析
1.3 発生圧力、樹脂内の温度変化および必要動力の解析
1.4 分散水準の絶対的評価方法と相対的評価方法の相関
1.5 実験装置、実験方法および分散相対評価値
1.6 スクリュ全体の評価
1.7 FEMを用いたスクリュ内の樹脂流動解析
第5章 材料から見た分散特性
1.ナノコンポジット強度向上技術の現在までの展開
1.1 3元性樹脂
1.2 ナノコンポジット樹脂
1.3 バウンドポリマの材料強度補強理論
1.4 バウンドラバの材料強度補強理論
1.5 ナノ分散と材料強度補強の関係
1.6 LFP (Long Fiber Pellet) 製造技術
2.2軸押出機を用いたポリマアロイの製造
2.1 リアクティブプロセッシング法
2.2 相溶性から出発するポリマアロイのモルフォロジ制御
2.3 有機・無機ナノハイブリッド
第6章 2軸押出機の特殊性能技術
1.2軸押出機の脱気技術
1.1 脱気技術の使用目的
1.2 脱モノマなどのフラッシング技術
1.3 押出し製品成形に関わる脱気モデルと脱気理論
1.4 脱気実験
1.5 フラッシング時の注水脱気技術
1.6 注水脱モノマ技術
1.7 分圧技術による注水高脱気技術で高度な純粋樹脂を製造
1.8 ガス注入分圧技術による超臨界抽出技術
2.伸長流動分散技術
2.1 伸長流動分散
2.2 伸長流動分散技術の応用
3.ナノ分散を2軸押出機で実現する
3.1 ポリマナノコンポジット、ポリマナノアロイの製造技術
3.2 スラリ分散技術
3.3 樹脂中へ多層グラフェンをナノ分散する技術
3.4 ポリマナノアロイ
第7章 2軸押出機の分散品質スケールアップ技術
1.高分子分散技術におけるスケールアップ技術
1.1 スケールアップ理論
1.2 分散品質の相似に関する考え方
2.分散品質の予測技術
2.1 分散パラメータの応用
2.2 品質方程式の解析その1(全分散行程が1系で解析が容易な場合)
2.3 品質方程式の解析その2(1連の分散行程が多系の場合)
2.4 品質方程式と分散品質の予測技術および
品質に関する相似側として使用できる緩和則(全分散行程が1系の容易な場合)
2.5 機種の違いの分散品質相似解析
2.6 有効混練時間の考え方
2.7 応用できるせん断速度領域
2.8 品質予測方程式と各種せん断機種
第8章 2軸押出機応用技術と発生する諸問題
1.2軸押出機運転時の問題点と解決策
1.1 フィラ 濃度はどこまで上げられるか
1.2 マスターバッチの製造の意義
1.3 粒子の再凝集特性
1.4 サージング現象の発生原因と解決策
1.5 ベントアップ現象の発生原因と解決策
1.6 脱気気体の凝縮液体をベント口に戻さない方法
1.7 フィードネック現象の発生原因と解決策
1.8 フィードネック防止へのトライ
1.9 定量フィーダに起因する問題点
1.10 スクリュ根元の軸シールにおける問題点と対策
1.11 ホッパブリッジの発生原因と対策
1.12 材料の焼け、変色の発生原因と解決策
1.13 通常測定するシリンダ部の樹脂圧力が正しいかどうかの問題
1.14 樹脂温度計の構造と正しい温度測定の問題点
1.15 押出される樹脂の温度、圧力のばらつきの原因と解消方法
1.16 スクリュ、シリンダ磨耗への対策
1.17 フィーダ排出口からホッパ口までの垂直距離の問題
1.18 フィラ 濃度を変動させないように厳格な品質管理をする方法
1.19 比エネルギをモータ動力から算定すると発生する問題点
1.20 シリンダへ液体を注入する場合の問題点
1.21 PIDシリンダ温度制御
1.22 スクリュ、シリンダ、ブレーカプレート、ダイなど付着樹脂の清掃
1.23 インラインMI計
2.混練物質、押出し分散操作の問題点とその解決(押出機の可能性を広げる)
2.1 2軸押出機の操作線図、押出し量を増加する可能性
2.2 凝集粒子を扱う上で有効な技術
2.3 混練に最適なチップクリアランス値(せん断応力値)が
存在する材料、Shear thinning、Shear thickning 特性との関係
3.特殊目的の混練押出
3.1 特殊な樹脂のリサイクル技術
3.2 不均一混練により求める物性が得られる場合
3.3 分子量均質化と分子量制御のための混練
3.4 その他